評価面談に関する一連の仕事は管理職になったら、避けて通ることはできません。
受ける側での経験はあるけれど、やってもらってよかったと思える面談の経験がなかったり、あったとしても実際に初めてやってみてどうすればいいか分からない、と困ることは出てくるでしょう。
管理職経験とコーチングや心理学の学びから、失敗しないための心構えや面談前の準備についてお伝えします。
目次
評価面談の進め方のコツを解説!失敗しないための上司の心構えや準備についても①評価面談の成功には部下との信頼関係が絶対に必要
評価面談の成功には部下との信頼関係が絶対に必要です。
あなたは部下からどのくらい信頼されているでしょうか?
評価面談は上司が評価結果を伝えるのも、部下が評価結果を聞くのも、多少の緊張や精神的な負荷がかかる時間です。
部下があなたをどれくらい信頼しているかによって
- 上司として伝える内容が部下に正しく伝わるか
- 部下にとって受け入れられるものになるか
というのは、大きく変わります。
信頼関係は一朝一夕に構築できるものではないからこそ、評価面談の準備として普段のコミュニケーションで信頼関係を作っておく必要があります。
よくあるのはコミュニケーションの量が足りていないこと。
コミュニケーションの質を上げることはもちろん大切ですが、まずは量を増やすということを意識することから始めるのがよいでしょう。
あなたが業務をする中でわざわざコミュニケーションの時間を取るのは難しいかも知れません。
忙しい業務の中で誰でも簡単にできるのが、自分から挨拶をするというコミュニケーションの増やし方です。
朝から「○○さん、おはようございます!」、帰り際には「○○さん、お疲れさまです」と部下に声を掛けるだけ。今日の帰りや明日の朝から早速、始めてみましょう。
評価面談の進め方のコツを解説!失敗しないための上司の心構えや準備についても②評価をする前の目標設定で決めておきたいこと
評価面談で失敗しないためのコツとして、評価期間が始まるころに実施している目標設定の時に意識しておくことがあります。
目標の作り方として「簡単すぎる目標」や「どう頑張っても達成できない目標」は、良くないということはよく知られています。
評価面談の際、自己評価で達成したと申告してきた部下の評価内容を、上司が未達成と評価したらどうなるでしょうか?
部下の方は納得がいかないし、上司の方は納得させるのに苦労することでしょう。
なぜこんなことが起こるのか?というと、達成基準が曖昧だからなのです。
評価面談で失敗しないために、目標設定をするときには、
少し背伸びをすれば達成できそうと思える目標を設定するのはもちろんのこと、
定量的に評価できることがとても大切になります。
〇円の売り上げ達成や〇件の受注など、数字で表しやすいものもあれば数字で表現しにくい目標もあります。
数字で表しにくい目標については、その業務のおかげでどの程度(〇%)役に立ったか?や、〇分業務時間の短縮ができたなど、貢献具合を数値化するという方法もあるでしょう。
評価面談の進め方で失敗しないために目標の達成基準を明確にしておくことはとても大切です。
部下はどこを目指せばよいのか?が明確になるし、上司としては評価もしやすくなるのです。
また、日々のコミュニケーションでも目標の達成基準を意識することで部下のサポートをしやすくなるという効果もあります。
評価面談の進め方のコツを解説!失敗しないための上司の心構えや準備についても③評価面談はお互いに真剣勝負!事前の準備はしっかりと
評価面談で失敗しないために、事前準備はしっかりとしておく必要があります。
評価面談のタイミングは年にそう何回もある訳ではありません。年に2回、多くても3回くらいではないでしょうか。
静かな場所でお互いの考えや想いを聞くことができる時間です。
せっかくの時間をいつもの話題だけで終えるのか、踏み込んだ話をするのかは会社の雰囲気によっても違うのかも知れません。
ですが、偶然同じタイミングで同じ職場にいて、同じ部門で一緒に仕事をすることになった部下に上司として伝えられることを精一杯伝えていきましょう。
そのためには事前の準備がとても大切です。
- 日頃のコミュニケーションで伝えていることを改めて伝える
- 普段は伝えられないけど、改まった場だから伝えられることを伝える
- 普段は聞けないけど、改まった場だから聞けることを引き出す
頭の中でシミュレーションするのもよいのですが、部下のためにも次回以降の自分のためにもぜひアウトプットすることをおすすめします。
なぜなら、文章にすると内容の薄さに気づけるからなのです。
書き出すことで徐々に
- 部下の良い行動を思い出したり
- Aさんの評価に関連してBさんの評価ポイントに気づいたり
- ボリュームの少なさに気づいて、きちんと管理できていない自分に気づいたり
- 前回のアウトプットを見て、改めて良さに気づいたり
することができます。
私自身、年に2回しかない面談で上司に全く同じことを3回連続で言われた経験があります。「あぁ、この人は私のことを評価しているようなそぶりをしているけれど、実際は何も見ていないのだな」とがっかりしたものです。
部下はあなたのことを見ています。
信頼できる上司だと思うからこそ、あなたの元でがんばろうと思えるのではないでしょうか。
部下それぞれの評価を書き出すことは時間がかかりますが、その準備をするだけの価値があります。
評価面談の進め方のコツを解説!失敗しないための上司の心構えや準備についても④評価を伝える時は2ストライク1ボールがおすすめ
評価面談の進め方のコツは、良い評価をより多く伝えることです。
もっと成長してもらいたい、もっと部門として成果を上げたい、という自分中心の考えが先行すると、つい苦手分野を指摘したり、ダメ出しが多くなってしまいます。
評価面談が始まってすぐに部下自身も分かっている苦手分野のことやダメ出しをされると、その後に褒められても気分が良いものではありません。
そのために評価面談でまず伝えたいのは、よくできていること、そして部門やチームにとってよい影響を与えてくれている行動についてです。(2ストライク)
よくできていることや良い影響を与えている行動の中でも、特に部下が得意なことや意識しなくてもできることについては、本人にとってはごく自然で当たり前のことです。自分自身ではなかなか強みだと気づけないことを自覚することで、長所をより伸ばしていくことができます。
時間の関係もあるのそれほど多くは伝えられないかも知れませんが、強みを伝えることは部下のモチベーション(やる気)UPにもつながるし、上司であるあなたのことは部下のことをちゃんと見てくれている信頼できる上司だという認識にもなるでしょう。
反対に、できていないこと、苦手なことばかりを言われてモチベーションが上がる部下はいません。それに、半年や一年でこれまでできなかったことが次々にできるようになる訳もありません。
出来ていない事には目が行きやすいし、つい言いたくなるものです。
とは言え上司であるあなたより、できないことや苦手なことがあったり、経験が少ないからあなたの部下なのです。
部下にとってマイナス評価と感じることを並べたてるのではなく、『最優先課題』として一つだけに絞るのです。(1ボール)
そして、その一つだけを次回までに取り組む課題としてもらえばよいのです。
一度にたくさん並べたてて何年も同じ指摘を繰り返すより一年に一つ、確実にクリアしていく方が部下にとっても上司のあなたにとっても進めやすい成長目標になります。
評価面談の進め方のコツを解説!失敗しないための上司の心構えや準備についてもまとめ
評価面談の進め方にはコツがあります。
ただ評価を伝えるためだけの時間にするのか、部下の今後のモチベーションにつながる時間にするのかは上司であるあなたの心構えや準備次第なのです。
チームを管理するあなたの最優先の仕事は、部下に能力を最大限に発揮してもらえるようにサポートすることです。
評価面談は収入にも影響するため、部下のモチベーションに大きく影響を与える時間です。
ここまでに書いたこととあなた自身がやってもらいたかった面談を、イメージするところから始めてみてはいかがでしょうか。
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